「客先常駐はやめとけ」「客先常駐はきつい」——検索すると、そんな言葉がたくさん出てきます。以前この記事(客先常駐で意見が通らないのはなぜ?)で、客先常駐という働き方特有の「意見が通りにくい」構造について書きました。
今回はもう少し範囲を広げて、客先常駐という働き方そのもののメリット・デメリット、そしてどんな人に向いているのか、向いていないのかを、僕自身の経験を踏まえて整理してみたいと思います。
客先常駐とは
客先常駐とは、自社ではなく客先企業に出向いて、そのオフィスで働く形態のことです。SES(システムエンジニアリングサービス)や派遣、請負といった契約形態のもとで行われることが多く、IT業界、特にSE・プログラマー職では一般的な働き方の1つです。
雇用契約はあくまで自社と結んだままで、実際の勤務場所や指揮命令系統が客先企業側にある、というのが大きな特徴です。
客先常駐のメリット
ここでは、僕が実際に客先常駐で働いてきたからこそわかる、メリットを紹介します。
案件ごとに新しい技術を学べる
案件が変わるたびに、求められるプログラミング言語や技術も変わるため、良くも悪くも新しい知識を学び直すことになります。正直なところ、僕は案件が変わるたびに「また新しい言語を覚え直すのか……」とうんざりすることも多かったです。
それでも振り返ってみると、結果的にコンスタントに新しい技術に触れる機会にはなっていたと思います。
案件が変わっても雇用・収入が途切れない
客先常駐は、案件が終了しても自社に所属したまま次の案件へ移る働き方です。そのため、案件が切り替わるタイミングでも、雇用や収入が途切れる心配は基本的にありません。
フリーランスのように、契約が終わった瞬間に収入がゼロになる、というリスクとは違う安心感があります。
客先常駐のデメリット
続いて、客先常駐で感じたデメリットを紹介します。
意見が反映されにくい
客先企業とやり取りできる窓口は基本的に自社の管理者に限られていて、現場の一人ひとりが直接意見や改善提案を伝える機会はほとんどありません。
この構造的な理由については、以前の記事(客先常駐で意見が通らないのはなぜ?)で詳しく書いたので、気になる方はそちらも読んでみてください。
案件はいつ終わるか分からない
客先常駐で一番こたえたのは、案件が客先企業の都合でいつ終わるか分からないことでした。
案件を続けるかどうかは、基本的に客先企業の判断次第です。
契約が切れても自社に所属したまま別の案件に移れるので収入が途絶える心配はありませんが、自分たちの存在が「コストの調整弁」として扱われているように感じる場面は少なくなく、無力感を覚えることもありました。
スキルが定着しにくい
メリットの章で「案件ごとに新しい技術を学べる」と書きましたが、これは裏を返せば、1つの技術をじっくり深める時間がないということでもあります。
次々に環境が変わる中で、専門性やポータブルスキルと呼べるものが自分の中に積み上がっていく感覚は、正直あまりありませんでした。
客先常駐に向いている人の特徴
環境の変化を楽しめる人
定期的に現場も一緒に働くメンバーも変わる働き方なので、新しい環境に飛び込むこと自体を前向きに捉えられる人には向いています。
多様な現場を経験したい人
1つの技術や業界を極めるより、いろいろな現場・業界のシステムに幅広く触れてみたいという人に合っています。
その中で、自分に合う言語や好きな働き方を見つけていきたいという人にもオススメです。
客先常駐に向いていない人の特徴
1つのスキルを極めたい人
専門性を深く追求したい人にとっては、頻繁に環境や技術が変わる客先常駐は遠回りに感じられるかもしれません。
同じ環境で長く働きたい人
同じメンバーと長く関係を築きながら働きたい人にとっては、現場が変わるたびに関係性がリセットされる働き方はストレスになりやすいです。
「客先常駐はやめとけ」と言われる理由をどう捉えるか
ここまで見てきたデメリット——意見が反映されにくいこと、案件がいつ終わるか分からないこと、スキルが定着しにくいこと——が、「客先常駐はやめとけ」と言われる主な理由なんだと思います。
ただ、これはあくまで働き方の構造的な特徴であって、全ての人に当てはまる「絶対悪」ではありません。向いている人にとっては、むしろ良い働き方になり得ます。
大事なのは、自分がどちらのタイプかを知った上で選ぶことです。
客先常駐が合わないと感じたら
ここまで読んで、デメリットの方が自分には響くと感じたなら、それは今の環境が単純に合っていないだけかもしれません。うまく向き合うための工夫については、客先常駐で意見が通らないのはなぜ?でも紹介しているので参考にしてください。
それでも状況が変わらなかったり、辞めることも視野に入れたいという場合は、SEを辞めて後悔する5つの理由やSEが転職を考える5つの理由も参考になるはずです。
まとめ
客先常駐には、案件ごとに新しい技術に触れられる、雇用や収入が途切れにくいといったメリットがある一方で、意見が反映されにくい、案件がいつ終わるか分からない、スキルが定着しにくいといったデメリットもあります。
「やめとけ」と言われがちな働き方ですが、それが合うか合わないかは人によって違います。
自分がどんな働き方に向いているのかを見極める材料として、この記事が参考になれば嬉しいです。


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